Synology のNASサーバは数万円位の商品で、これを購入するとNASサーバ1台でこんな事もできるのか?と驚くような高機能なNASサーバです。
このWebサイトもSynologyのサーバで動かしていますが、高機能ゆえに色々なメニューがあり初めてこのNASに接する人には利用方法が良く解らないケースが多々あると思います。
私も当初はマニュアルを見ても良く理解できない為、試行錯誤を繰り返した結果、サーバにアクセスできなくなりサーバのリセット等を繰り返してしまいました。
そこでSynologyのNASを持っている人がこの高機能なサーバを使いこなして欲しいとの思いから、私が経験した事をこのサイトに投稿させていただきます。
しかし基本概念が判ってしまうと非常に簡単なサーバで、企業時代にこれをもっと使っても良かったかな?とも思っています。
<目次>
私がSynologyをどの様に利用しているのか?を紹介しています。
SynoligyのNASのインストール方法から基本的な設定方法を解説しています。
QuickConect IDやDDNSの取得方法を解説しています。
DDNSの取得後にやる事はSSL証明書の取得です。この方法を解説しています。
DDNSを取得してもローカルで使えなければ意味がありません。これを使える様にします。
WebDAV、VPN、FTP、SSHの利用方法を解説しています
ファイルコピーを短時間で終わらせる操作方法を解説しています。
又、他のSynoogyサーバのフォルダをマウントさせる方法も説明しています。
以上でSynologyを自由に利用できる基本は完了です。以降はアプリケーション利用と保守です。
写真をSynologyに取り込み管理する方法を解説しています。
SynologyでWordPressによるWebサイトの構築方法を解説しています
Hyper BackUPによるバックアぷとリストアを解説しています
このサイトを運用してから発生した障害と対策について解説しています。
1章:私の自宅のSynologyサーバの構成と環境
私はSynologyをDSM4の時代から使い始めDSM5を経由し、現在はDSM6で3台のサーバを運用しています。
DSMとは(DiskStation Manager)の略でSyanologyサーバのOSになります。
更にDSM7.0はベータ版の段階なのでそのうちにDSM7に変わると思いますが、現在はDSM6によるコンテンツを記載しています。
1台目 | 2台目 | 3台目 | |
用途 |
本番サーバ |
開発& |
メール& |
ハード |
DS718+ |
DS718+ |
DS718+ |
DSMバージョン | DSM6 | DSM6 | DSM6 |
動かしているアプリケーション | Web関連アプリ
WebDAV Server Photo Station Synology Drive Synology Office |
Web関連アプリ
WebDAV Server LDAP Saver DNS Server VPN Server |
Mail Plus Server
WebDAV Server |
サーバ運用指針 | 極力サーバ負荷を軽くする為に余分なアプリケーションは省いています | ネットワーク全体を管理するアプリケーションと本番Webアプリケーションの開発が行える環境にしています。 | メールに加えて1台目と2倍目のバックアップ先にしています。
尚、メールのバックアップはNo2サーバに送っています。 |
上記の構築で判った事を解説しているのがこのサイトになります。
2章:SynologyのNASの基本を理解する
1.SynologyNASのセットアップ方法
SynologyのNASを購入した時に初めに行う作業はDSM(Disk Station Manager)のインストールになります。ここではこの方法を解説しています。
2.DSMの基本画面構成を覚える
DSMのセットアップが完了すると、ローカルPCからDSMにログインできるようになります。
ここでこのDSM画面の基本操作を理解してください。
DSM6系の画面の基本操作を覚える
3.DSMのカスタマイズ
次にログイン画面とデスクトップ画面をどの様に作るのかを解説したのが下記URLになります。
4.固定IPアドレスの設定
1のSynologyの自動セットアップではサーバのIPアドレスは自動的に割り振られます。
そこでSynologyのNASに固定IPアドレスを割り振る方法をここで解説しています。
5.NASとして使う為の基本設定
Synologyの基本はNASになります。ここでNASとして使う為の基本設定を解説します。
6.DSMのバージョンアップ
最後にDSMの最新バージョンへのアップデート方法を解説します。
以上で基本的な設定は完了します。
これ以降はSynologyの特徴であるインターネットからのアクセスや各種のアプリケーションの使い方を解説していきます
3章:Synologyサーバをインターネットからアクセスする
SynologyのNASをインターネットからアクセスする方法には
①Quick Connect
②DDNS(Dynamic Updates in the Domain Name System)
という2種類の方法があります。
各々の特徴は下記になります。
QuickConnect | DDNS | |
アクセス方式 | Synology のサイト経由で接続 | 自宅ネットワークにダイレクト接続 |
ルータの設定 | 不要 | 必要 |
できる事 | Synology の基本アプリに限定 | WordPress等の総てのアプリが可 |
スピード | Synology のサイトの込み具合に左右される | 関連するのは自宅環境のみ |
1.Quick Connectでアクセスする
ここではQuickConnectでアクセスする為の設定方法を解説しています。
QuickConnectでSynologyサーバをアクセスする
2.SynologyのDDNSサービスを使ってアクセスする
ここではSynologyのDDNSサービスを使ってSynologyサーバにアクセスする方法を解説しています。
SynologyのDDNSでサーバをアクセスする方法
3.Synology以外のDDNSの取得方法
SynologyのDDNSはDiskStationに1つしか取得できません。
よって2つ以上のDDNSを使う場合はSynology以外の無償DDNSサイトから取得する必要があります。
またDDNSなら何でも良いのではなく、URL更新ができるDDNSでないとSynologyでは利用できません。
色々試した結果『Dynu』社と『Mydns』社のDDNSがお勧めになります。
4章:SSL証明書の取得
1.無償のSSL証明書を使ってHTTPS通信する
無償のSSL証明書の発行機関(Let’s Encrypt)の登場により、自宅サーバもHTTPS化が可能になりました。
しかし、DSMの証明書の取得方法はかなり癖があり何故、エラーになるのか?等がマニュアルを見ても全然分かりません。そこで下記に判った事を解説します。
Let’s Encryptの無償のSSL証明書の取得方法
2.SSL証明書のエクスポート/インポート
自宅のLANの中に「複数台のSynologyサーバ」があり、且つ、それらをhttpsでアクセスしたい場合に、SSL証明書をどうすれば良いか?を解説しています。
5章:ローカルデバイスからDDNSを使ってアクセスする
DDNSやSSL証明書を作成しても、ローカルのデバイスからDDNSを使ってアクセスできないと意味がありません。
ここではDNS Serverを使ってアクセスする方法を解説します。
ローカルデバイスからDDNSを使ってSynologyサーバをアクセスする方法
上記はPCからのURLアクセスですが、Androidデバイスの場合は下記設定になります。
iOSでDNSサーバを設定する方法は下記になります
6章:その他のNASアクセス(WebDAV、VPN、FTP)
DDNSを使って自宅のサーバをアクセスできるようになると更に高度な事がやりたくなります。
1.WebDAV接続
WebDAVを使うとNASに保存されているファイルをPCのローカルファイルの様に操作できるようになります。ここではその方法を解説します。
Synology NASをWebDAVでアクセスする方法
2.VPN接続
インターネットから自宅のLANにVPN接続をするとルータやWi-Fi機器の設定ができる様になります。
下記にその方法を解説します。
3.FTP接続
WebDAVを使うとダイレクトにファイルを修正できるのであまりFTP接続をする必要はないが、FTPを使うケースもここで解説します。
4.SSH接続
SSHを使うとSynologyのDSMのファイル構造を調べる事ができます。
例えば「mysqldump」が何処のディレクトリにインストールされているのか?等を知る事ができます
7章:File Stationの高度な使い方
1.FileStationの使い方
大量なファイルをコピー&ペーストすると膨大な時間が掛かる事があります。
このような場合はFileStationのファイル圧縮機能を使うとその時間を大幅短縮する事ができます。
FileStationで約30分掛かるコピーを数分で終わらせる方法
2.WebDAV接続で他のサーバのフォルダをマウントする
この接続方法の特徴は全フォルダがマウントできるので非常に便利です。
但し、WebDAVの設定が必要になります。
WebDAVで他のSynologyのフォルダをマウントする方法
3.CIFS接続で他のサーバのフォルダをマウントする
この接続方法の特徴は1つのフォルダのみをマウントします。
CIFSで他のSynologyのフォルダをマウントする方法
8章:Photo Stationの利用方法
1.Photo Stationの基本
Synologyの「Photo Station」パッケージを利用するとスマホやデジカメで撮影した写真をNASサーバの中に保管をして色々な人と共有する事が可能になります。
ここではPhoto Stationの基本操作と用語を解説しています。
2.Photo Statonでサイトを構築する
ここでは特定の人達で写真情報を共有する方法を解説します。
Photo Stationの写真を特定の人達で共有する方法
ここでは誰でもアクセスできる写真WEBサイトを構築する方法を解説します。
あわせてウォータマーク機能やブログ機能もを解説しています。
Photo Stationの写真を公開WEBサーバとして利用する方法
3.その他のPhoto Staton
Photo Stationは基本のもの以外に、DSMユーザ個々が「Photo Station」を持つことができます。
ここでは個人用Photo Stationの作成方法を解説しています。
Photo Stationではスマートデバイス用に「DS Photo」アプリケーションを提供しています。
ここでは「DS Photo」の基本操作を解説しています。
スマホで撮影した写真を自動的にアップロードする方法を解説しています。
スマホ写真をPhoto Stationに自動アップロードする方法
4.Photo Stationの障害対策
ここではPhoto stationを使った時に発生した障害と対策方法を解説しています。
SynologyのPhoto Stationの障害対策
9章:WordPressを使ったWebサイトの構築
WordPressの稼働環境の基本は下記の様になります。
【参考資料】 WordPressの稼働環境を理解する
1.Webサービスの立上げ
このWEBサイトはレンタルサーバを借りるのではなく自宅のSynology社のNAS上にWordPressをインストールして使っています。
これを行う為には、事前にWebサービスを立ち上げる必要があります。
2.MariaDBとphpMyAdminの立上げ
Webサービスが立ち上がった後は
■WordPressを入れるDB(MariaDB)
■MariaDBをアクセスするツール(phpMyAdmin)
のインストールと設定が必要となります。
ここではこれらのインストールと設定方法を解説します。
MariaDBとphpMyAdminのインストールと設定
3.WordPressのインストール
WordPressのインストール方法には下記の2種類があります。
①日本語WordPressをインストールする(推奨)
レンタルサーバを利用するのと同じやり方になります。
②Synology社のWordPressパッケージをインストールする。
制限がありますがWebサイトを1つしか作らない場合は、これで良いかもしれません。
SynologyのWordPressパッケージをインストールする
4.仮想ホスト機能を利用する
インストール直後のWordPressのURLはhttp://ドメイン名/WordPressフォルダ名ですが、これをドメイン名だけでアクセスする為にはSynologyの仮想ホスト機能を利用すると可能になります。
ここではその方法を解説しています。
Synologyの仮想ホスト機能を使ってドメイン名だけでアクセスする方法
Webサーバを同一回線で複数運用する場合はWeb用の新たなポート番号を指定する必要があります。
それをSynologyのサーバで行う方法を解説しています。
Synologyの仮想ホスト機能を使って2台目のWebサーバを立ち上げる方法
5.WordPressのDBのバックアップとリストア方法
WordPressの運用を行っていると「特定のDBだけを過去に戻したい!」というニーズが発生します。
これを可能にするのが下記方法です。
①DBの定期バックアップ
これは「指定したDB」だけを定期的にバックアップする方法です。
mysqldumpでMariaDBを定期的にバックアップする方法
②DBのマニュアルバックアップ/リストア
これはDBの引っ越し等に使う「phpMyAdminによるエクスポート/インポート」です。
phpMyAdminを使ってDBをマニュアルバックアップする方法
③DBのリストア制限の解除方法
phpMyAdminでリストアできるファイルサイズのデフォルトは32MBです。
これを拡張する方法を下記で解説します。
phpMyAdminでSQLファイルをインポートする時のエラーと対策
6.WordPressの開発環境の構築
WordPressサイトの公開後のプログラム変更は、サイトダウン等の危険性があるので難しくなります。
そこで、私が行っている開発環境を利用したプログラム変更方法をご紹介します。
7.WordPressの性能改善
SynologyでWordPressを運用している時に、遅い!と感じる事態に遭遇しました。
そこで色々な対策を打った結果を下記に報告します。
8.Wordressの更新
今まではWordPressの更新にあまり気を使いませんでしたが、WordPress5.5に更新しようとするとエラーが発生して、更新できない事態に遭遇しました。
原因は新しいWPのプログラムをダウンロードする際のエラーの様です。
そこでこの回避方法をここで紹介しています。
9.サイトURLの変更
①プログラム「Search-Replace-DB」を使ってWordPressのURLを変更する方法
このプログラムは「ウィジェット」や「外観→カスタマイズ」で設定したデータも変換してくれるのでお勧めです。
プログラム「Search-Replace-DB」でWordPressのURLを変更する方法
②プラグインを使ってWordPressのURLを変更する方法
簡便だが変換されないデータがあります。
「Velvet Blues Update URLs」でWordPressのURLを変更する
10章:バックアップ/リストア
1.DiskStation全体をバックアップする方法
ここでは「Hyper Backup」アプリケーションを使ってDiskStation全体のバックアップ/リストアの解説します。
①バックアップ先を無償クラウドにする
企業では有償のクラウドを契約して、そこにバックアップを取るのが基本になります。
しかし個人ユーザはお金を掛けないでバックアップしたいので無償のクラウドにバックアップするしかありません。
そこでここではGoogleドライブにバックアップを取る方法を解説します。
無償クラウド(Google Drive)へのバックアップとリストア
②他のSynologyサーバへのバックアップ
クラウドへのバックアップは回線を使う為にそれなりの時間が掛かります。
しかし私は複数のSynologyサーバを所有しているので、この中にバックアップする方法も解説します。
11章:セキュリティ対策/障害対策
3.WordPressのセキュリティ対策
2017年の3月にこのサイトが改ざんされるという事件に遭遇しました。
この様なサイトにいたずらする人はいないだろうと簡単に思っていましたが、現実に改ざん事件に遭遇する事によりセキュリティ対策の重要性を認識しました。
そこでこの中で取った対策を解説しています。
1.アプリケーションの障害対策
Synologyを利用し始めて、幾つかのアプリケーション障害を経験しました。
特に多いのがVPN Server、またWeb Stationでも障害が起こりました。
この様な時にどの様に対処すれば良いかを解説しています。
Synologyのアプリケーション更新で障害が発生した時の対策
2.既存のWordPressのPHPバージョンをあげた時の障害対策。
このサイトは「PHP5.6」で作成し「PHP7.0」にバージョンUPしました。
しかしこの時は問題は発生しませんでしたが、今回「PHP7.3」に変更した結果、画面が途中で表示されないという問題が発生しました。
この時に対応した履歴を紹介します。
3.NTT光回線の設定に注意
私の自宅は2019年末に「IIJMIO光」から「so-net光プラス」に変更しました。
その結果、外部からWebサーバにアクセス出来ないという障害が発生しました。
その時に取った対策を下記に解説しています。
その他の参考資料
以前はWebDAV接続の為にこの自証証明書を利用していましたが、SynologyがLet’s Encryptに対応した為、この証明書の利用を止めました。
しかし証明書の仕組みを理解するうえ参考として下記ドキュメントを残しておきます。
Synology NASに自証証明書でHTTPSアクセスをする方法
『NO-IP.com』のDDNSもURLで更新できるDDNSです。
しかし無償の利用期限が30日となっており、30日に近づくとメールが送られてきて、ここで更新処理をしないと失効してしまいます。
よって現在はこのDDNSは利用していません。
しかし参考として下記ドキュメントを残して置きます。