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2020年02月14日

Hyper backupを使ったアプリケーションのサーバ間移行

Synologyのサーバを複数台所有していると、このアプリケーションはこちらのサーバに移行したい等のニーズが発生します。

ここでは「Hyper Backup」を使った移行方法を解説します。

1.移行の概念図

移行の概念は下図を参照してください。

1.移行元のサーバから移行先のサーバにアプリケーションやデータをバックアップします。

2.移行先のサーバでローカルディスクにあるバックアップデータに再リンクします。

3.リストアでアプリケーションやデータをリストアします。

2.具体的な手順

2-1.事前準備

移行先サーバで下記を行ってください。

①Hyper Backup及びHyper Backup Vaultをインストールする。

②共有フォルダを作成する。

例)Backup-Data等

2-2.移行元サーバで行う作業

①Hyper Backupのアイコンをクリックする。

②画面の左下の+ボタンを挿入して「データバックアップタスク」を実行する。

③リモートNASデバイスを選択する。

④バックアップ先等を指定する

※1.サーバ名又はIPアドレス:▼をクリックしてサーバを指定します。

※2.ユーザ名、パスワード:バックアップ先に書き込み権限を持ったIDを指定します。

※3.共有フォルダ:▼をクリックして書き込み先を選択します。

※4.ディレクトリ:1回だけ使うファイル名なので判り易い名前を付けて下さい。

⑤バックアップするフォルダの選択

移行させたいデータを選択します。

⑥アプリケーションの選択

移行させたいアプリケーションを選択します。

⑦バックアップタスクの設定

※1.タスク:1回だけのバックアップなので判り易い名前を付けて下さい。

※2.その他の設定もバックアップデータの圧縮だけで問題ありません。

⑧バックアップローテーションの設定

これも1回だけのバックアップなので不要です。

⑨今すぐバックアップでバックアップを実行します。

⑩バックアップが完了したら下記を実行します。

※1.今、バックアップしたタスクを選択します。

※2.▼をクリックして「削除」を実行します。

⑪下記画面が出ます。

バックアップ先のデータは削除せずに「削除」ボタンを挿入します。

以上でバックアップ先にデータとアプリケーションが保存されました。

2-3.移行先サーバで行う作業

①Hyper Backupのアイコンをクリックする。

②画面の左下の+ボタンを挿入して「データバックアップタスク」を実行する。

③ローカルフォルダ&USBを選択する。

④表示された画面から

※1.既存タスクに再リンクを選択します。

※2.共有フォルダは▼をクリックしてフォルダを選択します。

※3.ディレクトリは▼をクリックしてバックアップしたフォルダを選択します。

⑤警告メッセージが出ますが「OK」を挿入します。

⑥バックアップデータ画面(無視)

バックアップは取らないので「次へ」で先に進みます。

⑦アプリケーション選択画面(無視)

バックアップは取らないので「次へ」で先に進みます。

⑧バックアップ設定画面

※1.タスク名は判り易いタスク名を入れて下さい。後の指定はバックアップしないので無視です。

⑨ローテーション画面(無視)

バックアップは取らないので「次へ」で先に進みます。

⑩タスクの追加を確認して、左下の復元アイコンから「データ」を選択して下さい。

⑪タスクを選択して、「次へ」で先に進みます。

⑫システム設定を復元する画面

システム設定とはユーザID等を復元するか?です。

通常は復元しません。

⑬データの復元画面

復元に必要なフォルダを選択して下さい。

⑭アプリケーションの復元画面

復元するアプリケーションを選択して下さい。

⑮復元ウィザード画面

確認画面がでます。適用でリストアが実行されます。

⑯最後の処理

復元したタスクは削除して下さい。この時はバックアップデータも削除します。

以上でアプリケーションやデータのサーバ間移行は完了しましたので、不要な物を削除する等の整理を行います。

3.注意事項

3-1.バックアップ対象でない物は復元できません。

①例えば「Web Station」で読み込んでいるPHP等はバックアップ対象でないので、移行されません。

マニュアルでインストールして下さい。

②PhpMyAdmin

これもバックアップ対象アプリケーションでないので、これもマニュアルでインストールして下さい。

 

3-2.MailPlus Serveの移行

メールサーバのアカウントはサーバに固定されています。

よってデータそのものは「Hyper Backup」で移行はできますが、アカウントを追加している場合はアカウントライセンスが移行できません。

よって、新サーバにアカウントを追加しなければならないので、MailPlus Serverをインストールする場合は、移行が発生しないサーバを選択する必要があります。

「Hyper Backup」で移行した場合は、ルータの設定でメール関連のポート番号を変更すると、新サーバの「MailPlus Server」が稼動します。

 

3-3.Synoligy Directory Serve(AD)の移行

ADの移行はお勧めしません。

理由はADは「DNS Server」と密接に関係したアプリなので、マニュアル修正が必要になります。

ADの再構築は一度、ADをOFFにしてから新サーバに新規でADをインストールします。

ユーザ登録が大変なのでどうしても「Hyper Backup」で移行した場合は、移行後「DNS Server」をマニュアルで修正します。

修正個所は旧サーバのIPアドレスが入った「Aレコード」と「AAAレコード」を削除します。

また、「Synoligy Directory Serve」のサーバ登録画面から古いサーバも削除します。

以上で正常稼働できるようになります。

 

以上でこのドキュメントの説明は完了です。

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