Synologyのアプリケーションに「Calendar」アプリケーションが追加された。
しかしこれをインストールするだけでは法人でどの様に利用したら良いかがわかりません。
個人は簡単なので、ここでは法人で利用する方法を解説します。
1.SynologyのCalendarを法人で使うポイント
1-1.SynologyのCalendarアプリケーションの特徴
Synologyの「Calendar」アプリケーションは CalDAVで作成されており、Googleのメールに添付されているカレンダと形式が非常によく似ています。
【Googleカレンダ】
上図の灰色の塗りつぶしのカレンダが個人のスケジュールが入っているカレンダです。
例えば日本の祝日の✔を外すと、カレンダに祝日が表示されなくなります。
【Synologカレンダ】
上図の「My Calendar」が個人のスケジュールが入っているカレンダーです。
休日:これは会社の休みを設定したカレンダです。(インストール時にはありません)
日本の祝日:これは日本の祝日をインポートしたカレンダです(インストール時にはありません)
各カレンダをクリックすると星や〇印の色が消えてこのカレンダは非表示になります。
メモ
スマホ等のカレンダソフトは日本の祝日等はシステムとして容易されていますが、Synologyのカレンダにはデフォルトで用意されていません。
よってSynologyのカレンダを利用する場合は管理者が「日本の祝日」や「会社の休日」カレンダを作成し、社員のカレンダに表示させてあげる必要があります
1-2.My Calendarとは
マイカレンダはカレンダを所有している人だけのカレンダーで他の社員からは見る事ができません。
しかし法人では上司等のスケジュールを見て会議を設定しますが、上司が自分のスケジュールをここに入れると誰も見れませんし、秘書にスケジュール管理させる事もできません。
そこで法人で使う場合は「共有カレンダ」を利用します。
各カレンダの使い分けのポイント
①個人の共通カレンダ
社員グループには「見るだけの権限」、秘書には「編集権限」を与えます。
これで社員が上司のスケジュール見ながら会議設定できるようになります。
②My Calendar
ここには「個人のToDoリスト」や「休日のゴルフ」等のスケジュールを入れます。
こうする事により休日に何をやっているか?は社員や秘書から見られません。
③平日に誰にも見せないスケジュールを入れる方法
■個人の共通カレンダ:スケジュールを「私用」で入力します。
■My Calendar:見せたくない内容を自由に記述します。
2.Calendarアプリケーションのインストールと設定
2-1.Calendarアプリケーションのインストール
パッケージセンタから下記アプリケーションをインストールします。
2-2.社員にアプリケーションの利用権限を与える
コントロールパネルから下記アプリケーションを起動します。
ローカルユーザで管理している場合は「グループ」ADやLDAPで管理している場合は「ドメイン/LDAP」です。
または
社員グループにCalendarアプリを「許可」します。
2-3.祝日カレンダをダウンロードする。
祝日カレンダーを提供してくれているサイトには色々な物がありますが、ここではGoogleが提供してくれているカレンダを利用します。
下記URLをクリックして下さい。
「basic.isc」というファイルがPCにダウンロードされます。
2-4.休日カレンダをインポートする。
①カレンダの脇にある「・・・」をクリックして表示されたメニュから「インポート」を実行します。
②下記画面が表示されます。
■表示された上記画面から「iCalendar」をインポートを選択します。
■「Google Calanderからのインポート」はGmailのカレンダをSynologyカレンダに取り込む時に利用します。
③下記画面が表示されます
■上記画面の「参照」をクリックしてダウンロードした「basic.isc」を選択します。
■「新しいカレンダとしてインポート」を選択します。
■「名称」には自由に名前を付けて下さい。例)日本の祝日
■表示する「色」を選択します。例)赤
インポートボタンを挿入すると下記カレンダが追加されます。
2-5.日本の祝日カレンダにアクセス権を設定します。
①「日本の祝日の所の▼」をクリックして表示されたメニュから「カレンダ設定」を選択します。
②表示された下記画面から「共有」タブを開きます
■「DSMユーザと共有の所の▼」をクリックして社員グループを選択します。
■権限は「読み取り専用」を選択して下さい。「読み取り/編集」を選択すると社員がこのカレンダを消す心配があります。
以上で全社員に日本の休日カレンダが提供されました。
2-6.休日カレンダを作成する。
①カレンダの脇にある「・・・」をクリックして表示されたメニュから「作成」を実行します。
②表示された画面で下記を設定します。
■カレンダの名称:休日
■カレンダー色:茶
■共有:社員に「読み取り専用」権限を与える。
作成で休日カレンダが作成されました
③1月のカレンダに入り日曜日をクリックする
下記画面が開きます。
■名称:休日
■カレンダは休日カレンダを選択する。
「詳細の編集」をクリックする。
■イベントを繰り返すに✔を付け作成ボタンを挿入する。
以上で日曜日は総て休日になりました。
同様に土曜日や会社の創立記念日等を入力します。
2-6.個人の共有カレンダを設定する
個人の共有カレンダはスケジュールを入れられる管理者等が自ら行う必要があります。
作成方法は休日と同様です。
但し、このカレンダ名は
①誰のカレンダか?が判る名前にする
②休日カレンダや日本の祝日カレンダの前に表示したい
理由から下記の様なフォーマットが良いと思います。
名前:_氏名
先頭に「_」を付ける事により休日等より先に表示されます。
またアクセス権は
■社員グループには読み取り専用
■秘書には読み取り/編集
権限を与えます。
以上で法人で使えるカレンダ設定が完了しました。
3.Calendar入力の注意点
個人が入力するスケジュールは「My Calendar」と「共有カレンダ」になります。
①入力する時は「カレンダの所の▼」を挿入して、どのカレンダに入れるのか?を指定して下さい。
②時間等は「詳細の編集」で指定します。
4.Androidのカレンダと同期をとる方法
注意
同期という言葉を使っていますが、厳密な意味では同期ではありません。
あくまでもスマホから、「Synologyのカレンダを見たり」、「登録」しているだけです。
しかし、キャッシュにはデータはあるので、一見スマホの中にスケジュールがある様に見えます。
よって「スマホのバックアップ」では「Synologyカレンダのデータ」はバックアップされません。
4-1.事前準備(CALDAVのURLを調べる)
①同期するカレンダを選択する
「My Calendarの▼」をクリックして、「CALDAVアカウント」を実行します。
②カレンダのURLを取得します。
■表示された上記画面の「macOS / iOS」欄のURLを記録します。
又はスマホにメール等で送っても良いです。
4-2.Androidデバイス側での操作
SynologyのCalandarはCalDAVで作成されていますがAndroidにはCalDAVプロトコールはサポートされていません。
そこでCalDAVアプリケーションをインストールする必要があります。
ここでは無償で利用できる「Caldav Sync Free Beta」アプリを利用する方法を解説します。
①Caldav Sync Freeをスマホにインストールする
Playストアから「Caldav Sync Free Bata」を検索しインストールして下さい。
注意:通常はアプリケーションをインストールするとアプリアイコンが追加されますが、このソフトにはありません。
②設定を起動します
③表示された画面からアカウントを実行します。
④表示された画面から「アカウントの追加」を実行します。
⑤表示された画面から「CalDav Sync Adapter」を実行します。
⑥下記画面が表示されます。
■User :ログインするユーザIDを指定します
■Password:ユーザIDのパスワード
■URL :事前準備で取得した「macOS / iOS」欄のURLを入力します。
「Sign in or register」ボタンを挿入します
⑦アカウント画面に「CalDav Sync Adapter」が追加されます。
⑧「CalDav Sync Adapter」を実行します。
下記画面のカレンダー同期をONにします。カレンダーの同期がスタートします。
⑨その他
Andoridの画面はPCに比べて画面が小さいので休日カレンダは表示しない方が見やすくなります.
カレンダのメニュから「表示をするカレンダ」を実行し「休日カレンダ」をOFFにして下さい。
これで見やすいカレンダになります。
5.iOSのカレンダと同期を取る方法
注意
同期という言葉を使っていますが、厳密な意味では同期ではありません。
あくまでもスマホから、「Synologyのカレンダを見たり」、「登録」しているだけです。
しかし、キャッシュにはデータはあるので、一見スマホの中にスケジュールがある様に見えます。
よって「iOSのバックアップ」では「Synologyカレンダのデータ」はバックアップされません。
5-1.事前準備(CALDAVのURLを調べる)
操作方法は3項のAndroid編を参照してください。
5-2.iPhone、iPADでの操作
iPhone、iPADはCalDAVプロトコールがサポートされているのでそのままSynologyのカレンダと接続できます。
①設定アイコンをクリックします
開いた画面から「メール/連絡先/カレンダ」のアカウントの追加を起動します。
②アカウントの種類を選択します。
下記画面の「その他」を選択します。
③アカウントの種類を選択します
表示された画面のカレンダの所の「CALDAVアカウントの追加」を選択します。
④表示された画面に接続情報を入れます
■サーバ:事前準備で取得した「macOS / iOS」欄のURLを入力します。
■ユーザ名:ログインするユーザIDです。
■パスワード:ユーザIDのパスワードです。
次へのボタンを挿入します。
⑤下記画面が表示されます。
保存ボタンを挿入するとカレンダーの同期が始まります。
注意:リマインダーとはToDoリストの事です。
⑥その他
休日カレンダを表示するか否かは、カレンダアプリで「表示するカレンダ」で設定して下さい。
6.その他
PCで「Synologyカレンダ」を操作するのに、いちいちDSMにログインしてカレンダを起動するのは面倒です。
また「Synologyカレンダ」のUIも決して良い物とは思いません。
そこで下記の「Thunderbird」のカレンダ機能を使うのも一つになります。
下記ドキュメントのURLの所だけを見て下さい。