Synologyには家庭向けではない企業で使う為の高度なアプリケーションがどんどん追加されています。
私も2013年版のDS213+を所有していましたが、今年、2018年度版のDS718+を入手しました。
そこでこれを使い始めたらDS213+には無いアプリケーションが追加されている事に気が付きました。
考えてみればクラウドシステムはLinuxやUNIXで構築されており、Windowsサーバを使う業者は皆無です。
しかし一般法人ではWindowsサーバが圧倒的に多数です。
これは一般法人ではLinuxを使って各種のサーバを構築する事は難しいと思われているからではないでしょうか。
しかしSynologyではLinuxを使った各種アプリケーションが作成され、一般法人でもLinuxで社内システムが構築できる時代が到来したのではないでしょうか?
ここではSynologyに追加された新しいアプリケーションの使い方を順次、紹介していきます。
1.LDAPやADを使ってユーザ管理を行う方法
Synologyサーバが1台の時はローカルユーザで管理すれば良いのですが、複数台になるとユーザ管理はLDAP又はAD(Active Directory)のディレクトリシステムで行い、アプリや共有フォルダのアクセス管理は個々のSynologyサーバで行う方法が望ましくなります。
1-1.ユーザ管理にLDAPを利用する方法
LDAPサーバは「IBM Lotus Domino」や「Open Directory」でも良いがSynologyの「Directory Server」を利用する事ができます。ここではSynologyの「Directory Server」を使ったLDAP環境を構築する方法を解説しています。
1-2.ユーザ管理にAD(Active Directory)を利用する方法
ADサーバはWindowsのADを利用しても良いのですが、これを利用すると「Windows Server CAL」が必要になります。
ここでは「Windows Server CAL」が要らないSynologyの「Active Directory Server」を利用する方法を解説しています。
SynologyにActive Directoryを利用する
2.Mail、カレンダ、チャットを使う
法人でグループワークを行う為には「メール」、「カレンダ」、「チャット」が必須アイテムです。
最近では法人向け「チャット」機能が充実してしてきた為にこれを使ったグループ内で資料共有やプログラム共有が盛んに行われるようになってきています。
Synologyのこれらのアプリケーションを評価した結果、このコストでここまでできるのか?を驚くばかりです。
是非、中小企業でコストダウン、機能アップ等でこれらを検討する事をお勧めします。
下記に法人を前提にこれらのインストールから使い方の解説しています。
2-1.MailPlus Serverを利用する
メールは通常月額××円/1名のコストがかかりますが、SynologyのMailPlusは永久ライセンスで利用する事ができます。
更にセキュリティ的にも多彩な仕掛けを持っているのが特徴になります。
SynologyのMailPlus Serveの構築方法(基本)
上記で紹介した構築方法は基本的な使い方です。よってスパムメールが大量に来ます。
これに対処する為には色々対策を打つ必要があります。
次にメールサーバを運用する場合、送信したメールが迷惑メールにフィルタリングされない送り方が重要です。
ここでは送信メールの評価方法と迷惑メールにならない為の設定を解説します。
2-2.Calendarを利用する
カレンダは個人だけでなくグループで共有する事が重要になります。
ここではSynologyのカレンダを法人で使う一手法を解説しています。
2-3.Chatを利用する
SynologyのChatは法人向けチャットとして急速に普及しているSlack(スラック)と同様な操作で使えるチャットシステムです。
資料共有から1クリックで利用できるWeb会議等の設定方法を解説しています。
2-4.MailクライアントとカレンダにThunederbirdを利用する
Thunderbird(サンダーバード)はFirefoxを作成したMozilla Corporationが提供する「メール」や「カレンダ」のデスクトップアプリケーションです。
Synology Chatにはデスクトップアプリケーションがありましたが、MailPlusやCalenderにはこれがありません。
そこでThunderbirdを利用する事により、この問題を解決します。
尚、Synologyのカレンダは、このサンダーバードとリックする事を想定して作成されています。
これを利用する事によりPC環境でSynologyのメール、チャット、カレンダの3点セットが快適に利用できる様になります。
MailPlus、Calenderの代わりにThunderbirdを利用する方法
3.ドキュメント共有
従来のNASは「個人フォルダ」や「共有フォルダ」を作成し、PCで作成したドキュメントをNASに保存する。という考え方でした。
しかし、「Synology Drive」か「Synology Office」を利用すると、Webで「ドキュメント(Word)」、「スプレッドシート(Excel)」、「スライド(PowerPoint)」が利用可能になると共に、DSMユーザや社外の人ともドキュメント共有が可能となりました。
ここではこれらのインストールから使い方を解説しています。
4.複数サーバになると行える事
4-1.サーバ間でのフォルダマウント
個人ではSynologyを1台所有するのが基本ですが、法人では複数サーバを利用します。
その時「File Station」で他のサーバのフォルダをマウントしたいケースがありますがこの方法には下記の2種類があります。
①WebDAV接続で他のサーバのフォルダをマウントする
この接続方法の特徴は全フォルダがマウントできるので非常に便利です。
但し、WebDAVの設定が必要になります。
WebDAVで他のSynologyのフォルダをマウントする方法
②CIFS接続で他のサーバのフォルダをマウントする
この接続方法の特徴は1つのフォルダのみをマウントします。
CIFSで他のSynologyのフォルダをマウントする方法
4-2.サーバのハードウェア変更やサーバ間でのシステム移行
①システムを他のサーバに移行させる
Synologyを複数台所有していると、このアプリケーションはこちらのサーバで稼動させたいというニーズが発生します。
「Hyper backup」を利用するとこれらも簡単に行う事ができます。
Hyper backupを使ったアプリケーションのサーバ間移行
②ハードウェア変更
Synologyのハードウェアを変更する方法は色々な方法がありますが「Hyper backup」使う方法が安全で確実な方法になります。
Hyper Backupを使ったSynologyのハードウェア変更
4-3.HAシステムの構築
SynologyのNASをNASとして使っているレベルではHA(High Availability)は不要ですが、WebサーバやADサーバ等として利用するとシステムのダウン時間は極力短くしたいというニーズが発生します。
Synologyでは2台のNASを仮想的に1台の仮想NASに変更してこれを実現するアプリケーションを提供しています。
SynologyのNASをHA(High Availability:高可用性)構成にする