SynologyのDDNSはサーバに1つしか取得できません。
よってサーバに2つ以上のDDNSを使う場合はSynology以外の無償DDNSサイトからDDNSを取得する必要があります。
またDDNSなら何でも良いのではなく、『URLで更新ができるDDNS』でないとSynologyでは利用できません。
『Dynu.com』が発行してくれるDDNSは、この条件に合った物となります。
1.Dynu.comからDDNSを取得する
1.下記URLで表示された画面からDDNSを申請する。
https://www.dynu.com/en-US/ControlPanel/AddDDNS
下記画面が開きます。
①右の『Top Level』欄をプルダウンして利用したいドメインの種類を選択します。
②左の『Host』欄にユニークな名前を入れ、ADDボタンを挿入します。
・指定したDDNSが既に利用されていた場合:エラーになります。
・空いているDDNSの場合:下記画面に移行します。
2.表示された画面にユーザ名やメールアドレスを入れます。
■First Name:名(英数字です)
■Last Name:性(英数字です)
■Username:ログインや更新時に使う名前で重要です(英数字です)
■Password:ログインや更新時に使うパスワードで重要です
■Email Address:このアドレスにメールが送られてきます
『私はロボットではありません』にチェックを入れた後、Submitボタンを挿入します。
3.上記で登録したメールアドレスにDynu.comから、メールが届きます。
指定されたURLをクリックするとDDNSの取得が完了します。
注意
上記で取得したDDNSは、申請したパソコンのIPアドレスにDDNSが紐づけられただけで、SynologyサーバのIPアドレスではありません。
よって今度は、Synologyサーバ側の設定を行います。
2.外部アクセスの設定を行う
1.コントロールパネルの外部アクセスを開いてください。
下記画面が開きます。
DDNSタブの「カスタマイズ」ボタンを挿入します。
2.下記画面が開きますのでサービスプロバイダの登録を行います。
■サービスプロバイダ:任意名称を入力します。例)Dynu等
■Query URLに下記を入れ、「保存」ボタンを挿入してください。
http://api.dynu.com/nic/update?hostname=__HOSTNAME__&myip=__MYIP__&username=__USERNAME__&password=__PASSWORD__
※上記の青字部分はDynu.comの変数名、赤字部分はDiskStationの変数名になります。
メモ
このようにURLでグローバルIPの更新ができるDDNSサービスでないと、SynologyサーバのDDNSとして利用できません。
3.DDNSの追加を挿入します。
上記画面で「追加」ボタンを挿入します。
4.Dynu社のDDNSを更新する設定を行います。
サービスプロバイダの▼をクリックして、2項で設定したプロバイダ(例:Dynu)を選択します。
■ホスト名:Dynu社から取得したDDNSを入力します。
■ユーザ名/Eメール:DDNS取得時のusernameを入力します。
■パスワード:DDNS取得時のパスワードを入れます。
OKを挿入して完了です。
暫くしてステータス欄が正常になると、DSMのIPアドレスがDynuのDDNSに登録されます。
以上でDynuで取得したDDNSに定期的に更新処理が走り、このDDNSでSynologyがアクセスできるようになります。
メモ※重要
上記で設定したDDNSの設定情報は「Hyper Backup」ではバックアップされません。
よって将来障害が起こる事を想定して、上記設定情報は必ず他の記憶媒体に記録しておいて下さい。
3.DynuでDNSレコードを追加する方法
Dynuでは、取得したDDNSに任意のDNSレコードを追加する事ができます。
メモ
DNSレコードとは、メールサーバ等でこのURLを使う場合に付加する情報のことです。
一般的には利用しません。
但し、この機能はDDNSを取得してから1か月が経過しないと利用できません。
1.Dynyにログインします
上記URLをクリックして下さい。
下記のいづれかの画面が表示されるので赤枠のアイコンをクリックします。
下記画面が表示されます。
DDNSを取得した時のEmailアドレスとパスワードを入れてLoginボタンを挿入します。
下記アイコンリストが表示されます。
上記の「DDNS Service」がDDNSの追加やDNSサービスを利用するメニュになります。
「DDNS Service」を起動すると下記画面が表示されます。
+ADDボタン
DDNSを追加する場合に挿入します。
ボタン
DNSレコードを追加する場合に挿入します。
ボタン
設定されているDNSレコードを表示する時に挿入します。
2.MXレコードの設定
MXレコードはメールを送る場合はここに送ってください!というレコードです。
ここでは取得したDDNSと同じものを設定して下さい。
「cmail.dynu.net」でDDNSを取得した場合はMXレコードも「cmail.dynu.net」です。
を挿入します。
下記画面が表示されます。
①Typeの所にある▼をクリックして「MXレコード」を選択します。
②hostname欄に取得したドメイン名を入れます。
③「Add DNS Record」ボタンを挿入するとMXレコードが追加されます。
MailPlus Serverの設定メモ
MailPlus Serverの構築はDynuで取得したDDNSで構築します。
この時、ホスト名(FDQN)が「mail.取得したDDNS」になりますが、「mail.」は削除して下さい。
これでDNSの設定とMailPlus Serverの設定が一致します。
3.SPFレコードの設定
SPF(Sender Policy Framework)とは、受信したメールのIPアドレスが、DNSに登録されているIPアドレスと一致するか?を調べる認証方式です。
よってIPアドレスを登録します。
を挿入します。
下記画面が表示されます。
①Typeの所にある▼をクリックして「TXTレコード」を選択します。
②Node Name欄には何も入れません。
③Text欄には下記の形式でデータを入力します。
v=spf1 ip4:×.×.×.× -all
×.×.×.×はIPアドレスです。
④「Add DNS Record」ボタンを挿入するとSPFレコードが追加されます。
4.DKIMレコードの設定
メールの受信者は[秘密鍵]から[公開鍵]を生成し、これをDNSサーバのDKIMレコードに登録します。
メール送信者は送信先のドメイン名から[公開鍵]を入手し、これで暗号化してメールを送ります。
メール受信者は、これを[秘密鍵]で復号化して平文に戻します。
これをDKIM(Domain Keys Identified Mail)と呼びます。
この設定の前に
MailPlus Serverの設定で下記の情報を取得しておいて下さい。
・DKIMセレクタのプレフィックス名
・パブリックキー
パグリックキーはクリップボードにコピーしておくと設定が楽になります。
を挿入します。
下記画面が表示されます。
①Typeの所にある▼をクリックして「TXTレコード」を選択します。
②Node Name欄には下記を入力します。
×××._domainkey
×××はDKIMセレクタのプレフィックス名です。
③Text欄は下記の形式でデータを入力します。
v=DKIM1; k=rsa; p=△△△
△△△はパブリックキーです。
④「Add DNS Record」ボタンを挿入するとDKIMレコードが追加されます。
5.DMARCの設定
DMARC(Domain-based Message Authentication, Reporting & Conformance)はSPFやDKIM認証に失敗した場合にその取扱をどうするかを相手のメールサーバにお願いする機能です。
を挿入します。
下記画面が表示されます。
①Typeの所にある▼をクリックして「TXTレコード」を選択します。
②Node Name欄には下記を入力します。
_dmarc
③Text欄は下記の形式でデータを入力します。
v=DMARC1; p=none; pct=100; rua=mailto:×××
×××はメールアドレスです。
④「Add DNS Record」ボタンを挿入するとDMARCレコードが追加されます。